紫陽花

 

梅雨空の下で

そんなにも紫陽花は待っていた

天のものなる清き雨の雫を

すっかり乾いてしまった葉は

生気を欠き緑の輝きを失っている

今にも泣き出しそうに

そんな時ゆっくりと舞い降りてきた

尊き一滴

淡いピンクや紫の花弁を精一杯広げて

一滴も逃すまいとする

重たそうな首をもたげ

梅雨空に向かって誇らしげに見せる

まるで世界で自分だけが美しいと言わんばかりに

ぱっとしない大空の下で

瑞々しい紫陽花はより生気を増し

雨滴は程よく紫陽花に降りそそぐ

充分に潤った花弁はプリンセスの冠のよう

如何にも嬉しそう

銀色の玉は四方八方に輝き

そしてつるりと花弁から落ち

地べたに吸い込まれた

 

~中学・高校の頃の作品より

2003.06.02

 

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